利尻島に3泊して「利尻山」へ登ったり、島内で楽しんできた

夢の浮島「利尻島」。そこのシンボルである「利尻山(1,721m)」。気軽に登れない山はたくさんあるけれど、利尻山はその中でもかなりハードルの高い山のひとつだと思います。

本当は6月の後半から7月の前半の花が綺麗な時期に登りたかったんだけど、宿の空き具合とかで、今回は7月の後半になってしまいました。それでも利尻山へ登ることを決めてからはとてもワクワクする毎日。ただ、飛行機とか宿とか予約してるから、天気が悪いからって直前でのキャンセルはできないし、天気だけは最後まで気がかりでした。

登山情報

登山日

2023年7月27日(木)

コースタイム

山行時間:9時間(※休憩時間含む)

利尻北麓野営場(4:00)→四合目(4:35)→五合目(5:05)→六合目(5:30)→七合目(5:50)→長官山(6:45)→利尻山避難小屋(7:00)→九合目(7:40)→沓形分岐(8:10)→(9:00)利尻山北峰(9:25)→沓形分岐(9:35)→九合目(10:00)→利尻山避難小屋(10:25)→長官山(10:35)→七合目(11:10)→六合目(11:40)→五合目(11:55)→四合目(12:15)→利尻北麓野営場(13:00)

山小屋

利尻山避難小屋のみ。山中に宿泊施設や売店はありません。

利尻山避難小屋
利尻山避難小屋の中の様子

トイレ

山中のトイレは持参した携帯トイレを使用するブースになります。6.5合目、利尻山避難小屋、九合目にあります。山中で使用した携帯トイレは登山口の利尻北麓野営場に回収用のゴミ箱があります。

今回は下山時の6.5合目で使用しました。

ちなみに携帯トイレはモンベルのものを利尻島に行く前に購入して、持って行きました。

利尻北麓野営場にトイレはあったようですが、今回は使用せず。

トイレブース内の便座に携帯トイレをセットして、用を足します
利尻山6.5合目のトイレブース
6.5合目のトイレブース
携帯トイレ回収ボックス
山中で使用した携帯トイレは、登山口にある回収ボックスに捨てられます

水場

利尻北麓野営場の近くにある甘露泉水が唯一の水場。山中にはありません。

今回は3.75リットル持って登りました(最終的に1リットル以上は余りました。過去に水が切れて辛い思いをしたことがあったので、毎回多めに持ってます)。

下山時に飲んだ甘露泉水は、冷え冷えですごくおいしかった。

利尻北麓野営場には自動販売機があります。ここで飲んだコーラもおいしかったです。

冷え冷えの水がドバドバと流れ出てました。水筒の形状によっては少し汲みにくいかも

駐車場

宿泊施設の送迎を使用したので、登山者用の駐車場があるのかは不明。

携帯電話(ahamo)の電波状況

山頂以外では携帯を使用しなかったので、未確認。山頂で通信することはできました。

登山レポート

利尻島に到着してなかなか利尻山の姿を見ることができませんでした。これはもしかして利尻山へ登ることはおろか、利尻山を見ることすらできないのではないか?という不安がかなりありました。

利尻山と吊るし雲
左側に吊るし雲。そして利尻山の上にも雲。嫌な予感…

前日の夕方に利尻山の近くに吊るし雲があらわれたときは、少し諦めモードになりました。願わくば、長官山からの利尻山の姿だけでも。そんな思いで登山日を迎えました。

利尻山登山はとてもシンプル。登りはひたすらほぼ登り、下りもひたすらほぼ下り

朝4時登山開始。少しでも早く長官山まで、いや山頂まで登ることができれば、ガスに包まれる前だろうと言い聞かせ、黙々と登りました。

途中、風の音がなんか嫌で、精神的に疲れる感じがあったんですが、登るにつれて、いつの間にかそんなことは気にならなくなってました(登山道脇の笹や低木のおかげなのか、風の音の割には登山中に強風を体で感じることはありませんでした)。

利尻山の登山道
天気はもちろんですが、長丁場に足が耐えられるかも心配でした
利尻山の登山道
わかりやすいくらい山頂に向かうにつれて登山道は険しくなります。斜度、足元ともに

四合目を過ぎて、五合目に向かうにつれて、どんどん本格的な登山道となっていきました。

利尻山からの景色
六合目手前あたり。フェリーターミナル方面は今日も雲なし。うっすらとペシ岬が見えてます

途中、振り返るとフェリーターミナル方面が見えましたが、すっきりとした感じではなく、少し残念。それでも景色が見られるだけありがたい。

利尻山からの景色
人が見えるところが六合目。利尻空港はたぶん今日も雲の下。今日も条件付き飛行なのかな?とか考えながら先に進みました

胸突き八丁はその名前の割に前半はそれほどきつくなかったのですが、後半は本領発揮してきてきつかったです。ただ、登りよりも下りのほうがきつかった。

利尻山の胸突き八丁
さあ、気合をいれて胸突き八丁へ
利尻山の胸突き八丁
長官山からの利尻山の姿を想像して、黙々と登る
利尻山の第二見晴台
左側の一番高いところがたぶん長官山。見晴台とは言っても、目指す利尻山の頂は見えません
長官山の手前
長官山は目の前。この天気でも利尻山の山頂だけが雲に覆われてるとかあるので、気は抜けません

なかなか良いペースで登り、長官山に到着。利尻山は素晴らしい姿を見せてくれました。

長官山から見た利尻山
見たかった景色が目の前に
長官山から利尻山へ向かう道
このあたりは利尻山を見ながら歩けます

ここから利尻山避難小屋までは回復ゾーン。避難小屋から先の厳しい登りに備えて、しっかりと回復しておきましょう。最後の九合目からは「タフトレイル」の名の通り、ほんとタフでした。ただ、ここも登りよりも下りのほうがきつかったです。

利尻山の登山道
まだまだ山頂は遠い
利尻山の登山道
結構、急です
利尻山の九合目
ここからが正念場!その言葉に偽りなし…
利尻山九合目あたりから見た景色
左下の開けたところが九合目。長官山から歩いてきた道がわかります

ここまできつい、きついと何度もお伝えしてますが、一応、がんばって登山道補修用の土のうは運びましたよ。少しでもお役に立てるのであればということで。

利尻山
真ん中あたりに土のう置場があります。そこから真っ直ぐ上の切れてるところまで運びます(通称3mスリット)
利尻山の土のう置場
もちろん協力です!
利尻山で土のうを運ぶ
ぐったりしてるわけではないですよ。一つよりも二つのほうがバランス良く歩けます
利尻山の土のう置場
みんなでがんばって運びましょう!

山頂まではもう一踏ん張り。なんとか天気は持ちそうです。

利尻山
快晴の利尻山山頂に向けてのビクトリーロード
利尻山の山頂とローソク岩
目の前に山頂。右にはローソク岩

そして、山頂に到着。

利尻山山頂
まさかこんなにも天気が良いとは

強風を心配した山頂は、ほぼ無風だった

利尻山南峰とローソク岩
崩落が激しく立ち入り禁止の南峰
利尻山山頂
雲ひとつない利尻ブルーの下、賑わう山頂

山頂は風が強く、ゆっくりとすることはできず、すぐに下山することになるんだろうなと思っていたのですが、風はほとんど吹いておらず、また空いていたので、ゆっくりと休憩することができました。

座れるスペースを見つけて、宿泊してるレモラシリのお弁当をいただきます。

レモラシリのお弁当
やっぱり山にはおにぎりですね!半分は下山してからお迎えを待ってる間に食べました

下山するのがもったいないほどの良い天気でしたが、人もだいぶ増えてきたし、下山に時間がかかることがわかっていたので、30分くらいゆっくりしたところで下山開始。今度ははリシリヒナゲシが見頃なころにきます(一輪くらい見つけたかったのですが、見つからず)。

ローソク岩
山頂ではイブキトラノオがたくさんでした
利尻山のお花畑
斜面にはお花畑
利尻山のイワギキョウ
山頂で咲くイワギキョウ
利尻山山頂からの眺め
険しそうな真ん中の尾根は沓形コースでしょうか?

さてさて、利尻山はとにかく登りよりも下りがしんどい。滑らないように慎重に歩いてましたが、足の疲れや、コロコロした石の上で、何度かつるっといきました。五合目あたりまで下れば、もう大丈夫。そこから先は最後の一踏ん張りです。最後の最後に甘露泉水ごくごく飲んで、無事に下山しました。

まとめ

今回の利尻山登山は、いろいろな不安はありましたが、道中はスムーズに歩け、大体コースタイム通りでしたし、なによりも天気が良くて最高でした!特に長官山まで登って目の前に現れた利尻山の姿は忘れられません。大好きな山がまたひとつ増えてしまいました。

ただ、ひとつ残念なことを書くと、下山時に立ち小便をしていた方が2名ほどいたこと。しかも、登山道から丸見えのところで。利尻山は携帯トイレを持って登るのがマナーです。マナーを守れないだけではなく、多くの登山者から見える位置で用を足すとは、どんな神経してるんだろうなと。せめて登山者から見えない位置で隠れてするとか、そういった配慮もできないのかなと、とても残念な気持ちになりました。これさえなければ、ほんと良い思い出だけだったんだけどな。

ということで、利尻山を登るときは携帯トイレを忘れずに。山に優しく、他の登山者に優しく、みんなが良い思い出だけになるようにしましょうね。

主な登山装備

トップス

  • ファイントラック ドライレイヤークールタンクトップ
  • [sn] super.natural M BASE TEE 140
  • ミレー アルピ シャツ ショートスリーブ

ボトムス

  • マムート AEGILITY Slim Pants AF Men

登山靴

  • アルトラ ローンピーク 7

バックパック

  • HYPERLITE MOUNTAIN GEAR ELEVATE 22

撮影機材

  • FUJIFILM X-H2+XF16-80mmF4 R OIS WR

おまけ

利尻島滞在期間

2023年7月25日(火)から28日(金)

利尻島へのアクセス

利尻空港から見た利尻山
帰りの便の搭乗時に急に姿を見せてくれた利尻山

利尻山がある利尻島へは稚内からフェリーか、札幌から飛行機を利用することになります。今回はANAで羽田空港から新千歳空港まで移動し、そこから利尻空港までの便に乗り継いで利尻島に入りました。ちなみに、視界不良とのことで、状況によっては新千歳空港へ戻る可能性のあるフライトでした(無事に到着できて、ほっとしました)。戻りも同じルートです。ただ、復路は札幌に1泊してから東京に戻りました。

利尻島の天気

利尻島へ向かう1週間前からは天気予報とにらめっこ。あまり良い予報ではない中で、一番天気が良さそうな日を登山日にしました。結果、素晴らしい利尻山登山ができました。

滞在中、2回ほど利尻島をぐるっと一周しましたが、フェリーターミナル周辺以外は、曇りか霧雨が降ってる状態でした。風も強かったですね。島独特の影響があるようなので、天気予報だけで判断するのは難しそうです。曇り予報でも晴れだったり、曇り予報でも霧雨だったり。

あと北だし、涼しいかなと思ってましたが、日中は蒸し暑かったです。

帰る時に空港から利尻山が見えた時は、ほんとうれしかったですね。それまでまったく見える気配がなかったので。利尻島の天気にはほんと振り回されましたが、最後にやさしさをみせてくれました。

利尻島での観光

姫沼から見た利尻山。風がなければ逆さ利尻山が見られるそうです

島内からいろいろな利尻山を見たかったのですが、フェリーターミナル周辺以外はほんと天気が悪くて残念。

夕日ヶ丘展望台から見た利尻山。利尻山には雲が張り付いてます

そうそう、ペシ岬には登りたかったんですが、筋肉痛のため今回は登りませんでした。

利尻島で食べたもの

利尻島で絶対に食べたかったのがウニ丼。ところが1週間近く漁に出てないとかで、今回は食べられませんでした。代わりに神居海岸パークのウニ取り体験で自分でウニを取り、殻割り、身を取り出し、一番新鮮なウニを食べました。これはうますぎです。これでウニ丼を作って食べたい!

あと、有名なラーメン店の味楽で焼き醤油らーめんを食べました。

味楽で焼き醤油らーめん
味楽で焼き醤油らーめん

もう少し色々と食べたいものはあったんですが、それはまた次回ってことで。

PORTO COFFEE
PORTO COFFEEはパンもおすすめ
ミルピス
もちろんミルピスは飲みました

利尻島での宿泊

当初は利尻北麓野営場にテント泊して、利尻山に登るつもりでした。ただ、滞在中天気が悪かった場合のことなどを考えた結果、宿に泊まることに。今回は鴛泊にあるレモラシリに3泊しました。空港送迎はもちろん、登山時には朝の4時発で登山口まで送ってもらえます(下山時も連絡をすれば迎えにきてもらえます。連泊などの条件はあるようですが)。また、登山日は朝食を登山用のお弁当にしてもらえます。夕食のうにめし丼の釜飯もおいしくておすすめです。

レモラシリ
利尻山とレモラシリ。利尻山側の部屋でしたので、部屋からも利尻山が見えました
レモラシリの夕食
夕食は毎晩異なりました。毎日おいしかった
レモラシリのうにめし丼の釜飯
いくらが目立ってますが、うにめし丼の釜飯です

利尻島の入浴施設

宿泊していたレモラシリ近くの利尻富士温泉へ2回(1日目の夜と利尻山からの下山後)お邪魔しました。露天風呂の温度がとてもちょうどよく、長風呂が苦手なんですが、かなりゆっくりと浸かりました。下山後にお邪魔したときは、同じくらいの時間帯に利尻山に登っていた人がちらほらいたので、ここは下山後の定番なのかもしれません。

利尻島のレンタカー

利尻山に登ることばかりに気が入っていて、島内観光用のレンタカーの予約を忘れてました。レモラシリでも借りられたのですが、あいにく希望する日時は満車とのこと。だめもとでフェリーターミナルにあるニッポンレンタカーに相談すると、空きがあるとのことで、無事に借りることができました。レンタカーは早めに事前に予約することをおすすめします。ちなみに、数時間から半日くらい借りて約10,000円でした(ガソリン代など込み)。また、最終日は返却後、空港まで送ってもらいました。

機内から見た利尻島
やり残したことがたくさんあるし、必ずまた戻ってきます。次は礼文島にも行きたい